失われた30年という言葉があります。下図は各国の実質成長率を比較したものです。日本経済は先進主要国に対して「実質的な」平均給与の成長率は最低クラスです。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/752a509bd0dfa9b4c991bbb9909b86ee.png)
参考文献:先進国では最低クラス、日本の「実質的な」平均給与の成長率を検証する
:小川製作所のスキマ時間にながめる経済データ(8)
実質的な平均給与の成長率
この結果どうなっているかというと、日本の経済は中所得者を中心とした3極の正規分布型から低所得者と一部の高所得者の2極だけが儲かるロングテール型になってしまいました。
この経済状況による格差社会は、消費税の導入や非正規雇用者の拡大などの国策によるものであり、めがね業界だけでなく日本全体の問題であり、これからもしばらく続くと思われます。それどころか更に拡大するかも知れません。
経営者の悩みはつきませんよね。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/098010898e5dd0cf7981ad0b4153d0de-1024x870.png)
正規分布型
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/a1216b3951f53737d426a0a560d43fbb-1024x870.png)
ロングテール型
本記事では、地域密着型めがね店の未来につながる3つのビジネス対策についてまとめてみました。
ロングテール型経済社会を切り開く地域密着型めがね店3つの対策
日本版ビジョンケアのあるべき姿を実現するためには、アイウェアとアイケアをバランス良く進化(深化)させていくことです。
アイウェアは、お客に掛け心地が良くカッコ良いめがねを提供することです。どの価格帯をメインターゲットにするかはめがね店によって異なりますが、低価格帯、中価格帯、高価格帯のメガネ購入者にはそれぞれいくつかの特徴があります。例えば、
低価格帯:主に若者や学生、または予算に制限がある家庭が購入することが多いようです。また、一時的な使用やスポ
ーツ用としても人気があります。
中価格帯:平均的な所得を持つ成人が購入することが多く、日常使用や仕事での使用に適しています。品質と価格のバ
ランスを重視する人が多いようです。
高価格帯:高品質やデザイン性を求める人々が購入します。また、ファッションや個性を重視する人も多いようです。
といった特徴があります。
バブル崩壊後の経済状況にいち早く対応しためがね店は、JINSやZOFFなどの全国展開型格安店で、失われた30年の間に独自の眼鏡ビジネスシステム(SPA方式)を構築し、中小所得者をターゲットとして、メガネ一式価格での販売を訴求したお客に解り易い販売システムを構築した結果、お客の多くはこれに賛同し受け入れた。
その一方で、格安店とは一線を画して展開したのが全国展開型および広域展開型の大手チェーン店で、高級ブランド品などの高価格帯を中心に展開しています。
これに対して、中所得者をメインターゲットとしている地域密着型めがね専門店は、格安店への対抗策として仕入れルートの変更、民間資格(認定技術者)の取得、ターゲット層から若年層を切り捨てて中高年者層へのシフトを図る差別化戦略をとってきたが、2極化による影響があまりにも大きく、お客に満足なサービスを提供できていない。
めがね店の開店、閉店の状況をネット上で見ると、開店の大半は全国展開型の格安店で、閉店は広域型や地域密着型の専門店であり、日本経済状況をそのまま反映した形になっています。
- めがね店の開店、閉店状況
メガネ・コンタクトレンズ – 開店閉店.com (kaiten-heiten.com)
- メガディアのブログ 【コスパ最強】安い眼鏡屋24選!メガネを安く買うならココ!
https://megadia.jp/the-best-places-to-buy-cheap-eyeglasses
この経済状況がいつまで続くかは国策に因るところが大きく、個々のめがね店あるいはめがね業界だけでは解決できない状況にあります。
下図は、厚生労働省が公表した年収分布とLeadingTechが運営する情報メディア「ワイズローン」による貯蓄分布を示しています。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/8498139c7a4d402c83d1d98e6b999a0c.png)
年収分(2022))
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/dfc60d8ee7f9518954054349f58d2eb3-1024x792.jpg)
貯蓄分(2019))
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/e0eb2c303a158d6f19e98d821859c2f4.png)
めがねの家計消費支出
年収分布の平均値は546万円、中央値は423万円 貯蓄分布の平均値は317万円、中央値は100万円となっています。
2023年めがね家計消費支出は前年比13.9%減の6,152円で、2000年以降で最も大きかった2000年と比べると62.8%の水準となっています。
この厳しい経済状況においても、お客に判り易い価格体系と最高のめがね技術を提供するための新しいビジネスモデルをめがね業界が一丸となって進めていく必要があります。そのために必要な対策は以下の3つだと考えています。
- 日本メガネ協会に入会し、小売店会員としての権利を享受する
- お客に判り易いめがね一式の価格体系の提案する
- プロの眼鏡作製技能士として技術料を頂く(技術の有料化)
日本メガネ協会に入会し、小売店会員としての権利を享受する
ロングテール型分布の経済状況において地域密着型めがね店が復活するためには、日本メガネ協会に入会し、小売店会員としての権利を享受することです。
現在の経済状況を考えると、地域密着型めがね店が単独で解決できる課題は少ないと思います。本協会に入会することでめがね店に直接恩恵を与える3つの委員会による活動があります。
一つ目は、エリア活動委員会で進めている眼科医会の推奨店制度です。この制度はめがね協会の最優先活動でめがね店が眼科に紹介したお客を眼鏡店に戻すアイターン制度です。詳しくは、こちらのブログを参照して下さい。
二つ目は、リカレント教育支援委員会が進めている眼鏡作製技能士の教育制度です。現在は、コロナ禍や資金面等の課題もありオンラインでの教育で実施していますが、今後はリアルでの教育も進められていくものと思われます。
三つ目は、会員管理委員会が会員店や眼鏡作製技能士からの意見や提案を吸い上げて上申していく活動です。会員から上申された意見や提案は理事会や有識者会議などによってブラッシュアップされ最終的にはめがね業界のあるべき姿に貢献していくものと推測されます。
従って、めがね店や眼鏡作製技能士は本委員会に対して積極的に建設的な提案や改善策を提案していくことが大切です。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/e4f4906b1515817e20a09d1efede6103.png)
日本メガネ協会の組織
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/628401bf3dcf99cd1ce166c43339e4ed-1024x602.jpg)
めがね業界のあるべき姿
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
確かに、最初の二つはメガネ協会の立ち上げ時の看板政策で進め方は明確だけど、最後の一つは未来につながる政策だから、現場のめがね店や眼鏡作製技能士の意見を聞かないと現実的な政策立案はできないよね!?😁
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
現場でしか見えない課題は沢山ある。そういった課題をメガネ協会で集約し改善していけば、最終的にはお客へのサービス向上につながっていくと思う。
お客に判り易いめがね一式の価格体系の提案する
ロングテール型経済社会では、主に中所得者をターゲットにしているめがね店は苦戦を強いられます。しかしながら、この状況はいずれ解消し健全な正規分布型の経済社会(3極化)に戻ります。
中所得者をターゲットにしている地域密着型めがね店は、それに向けた準備をしておく必要があります。そのための対策とは、
- 物品販売と技術サービスを分けた価格体系を変更する
- お客にめがね一式価格と機能性レンズを分けて提示する
の2つをセットで検討することです。これについてはこちらのブログも参考にして下さい。
物品販売と技術サービスを分けた価格体系に変更する
地域密着型めがね店は、価格至上主義のビジネスから脱却し日本版ビジョンケアのあるべき姿に向かって物品販売と技術サービスを分けた価格体系で表示するのが望ましいと思います。
2022年の眼鏡作製技能士の誕生によって、日本のめがね業界は眼鏡作製技能士が在籍するめがね店が医療連携(アイケア)と快適なめがね作り(アイウェア)を主導する方向に大きく変わりつつあります。
例えば、日本メガネ協会が進めている眼科医会の推奨店制度やアイターン制度の導入などは眼鏡作製技能士の在籍していないと利用できない制度になります。
その一方で、めがねの販売方法は、店舗販売だけでなく通販やオンラインショップなど多様化してきています。
ただ、めがねは日常的に頻繁に買うものではなく、今日でも店舗やオンラインショップでデザイン、フィット感、価格、ブランドなど様々な要素を比較検討をした上で購入する買い回り商品です。
これらに対応していくためには、フレームやレンズなどの物品販売とめがねの作製や調整などの技術サービス料は価格体系を分けて提示していくほうが合理的だと思います。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/1abf8c4b1528bbcd411319d492bab313-1024x425.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/1abf8c4b1528bbcd411319d492bab313-1024x425.png)
地域密着型めがね店のあるべき姿
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
お客のメリットは何なの!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
最も重要なことは、お客にとってめがね自体の価格が判り易くなることだと思うよ。それ他には、
・眼鏡処方箋の場合は、視覚検査が省略されるから安く購入できる
・通販やオンラインなど自店以外の購入品への対応がしやすくなる
・お店の技術サービスのレベルが判断できるようになる
などがある。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
格安店の価格差問題は解消されるの!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
それはまた、別の問題だと思う。これだけでは確かに格安店との価格差は解消しないけれども、お客の多くは価格とカッコ良さのバランスで購入するから、やはり判り易い価格体系が重要なんだと思うよ。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
確かにネットで検索すると一目瞭然、格安店の価格体系は判り易いよね。何のためのホームページなんだろうね!?😁
お客に判り易い標準レンズ付きめがね一式の価格体系に変更する
今日、めがねの価格体系は標準レンズ付きめがね一式価格で表示する方法が一般的になりつつあります。
また、機能性レンズ(例えば、調光レンズ、偏光レンズ、ミラーレンズ、カラーレンズ、プリズムレンズ、ブルーカットフィルター、防曇レンズなど)に変更する場合は、標準レンズ価格に加算していく方法が受け入れられています。
お客は判り易いめがねの価格表示を求めていますから、価格を簡単に理解し経済状況に応じた購入を助ける方法は合理的で最も良い方法です。
最近のめがね一式の平均価格をネットで調べてみると、単焦点タイプで3万円弱、遠近両用タイプで4万円程度のようです。これを標準レンズ付きめがね一式価格としていくことも一つのアイデアだと思います。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/87281a6540d69a8ad83120876a323a87-1024x212.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/87281a6540d69a8ad83120876a323a87-1024x212.png)
めがね一式の価格(単焦点タイプ)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/7d8e034cb94e1ced74113a6970778583-1024x227.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/7d8e034cb94e1ced74113a6970778583-1024x227.png)
めがね一式の価格(遠近両用タイプ)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
これはJINSやZoffなどが行っている価格表示方法だよね、物まねだけど良いの!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
私の個人的な意見だけど、20年以上もお客から受け入れられた価格体系だから積極的に取り入れたら良いと思うよ。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
機能性レンズの加算方法は、どんなイメージなの!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
下図は一例だけど、めがね一式価格や機能性レンズの加算方法については、こんな感じかな。例えば、単焦点めがね一式価格35,000円をカラーレンズ変更すると、加算金額3,000円を追加して38,000円になる。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/set-price.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/set-price.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
屈折率、非球面、反射コートなどは、どれも加算金額はないようだけど!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
そうだね。お客はフレームだけで似合うかどうかを判断するから、そのイメージと完成品があまりにも違いすぎると、お客は勿論のこと、提供しためがね店もガッカリするよね。
だから、あくまでも個人的な意見なんだけど、美的効果については加算なしで提供しても良いかなと考えているんだ。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
そんなことしたら、お店は儲からないんじゃないの!?😢
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
そこは、プロの眼鏡作製技能士として知識、知恵、技術を駆使して、可能な限り対処していくということだよね。
こちらのブログ【第2回】目指せ!おすすめ眼鏡店|今からでも遅くない【価格編】も参考にして下さい。
プロの眼鏡作製技能士として技術料を頂く(技術サービスの有料化)
本来、めがねの価格はフレームとレンズと技術サービスの3つで決まるはずですが、現在はそうなっていません。眼鏡作製技能士が誕生したこのタイミングで、技術サービスを有料化する必要があります。
今後、眼科とめがね店はこれまで以上に医療連携を強化して地域ビジョンケアを担っていくことになります。これは、お客に対してよりレベルの高い技術サービスを提供することを意味しています。
めがね店がお客に対して高い技術サービスを提供していくためには、眼科と同様に新しい機器を導入したり、技術のレベルアップを図っていくためのコストが必要になります。そのためには、これまで無料で提供していた技術サービスをプロの眼鏡作製技能士の技術として有料化することです。
眼科の場合は、眼科医と視能訓練士を中心に提供する有料の技術サービスです。眼科で発行する眼鏡処方箋で得られる収入は、初診料や再診料、検査料金、診察料金など色々ありますが、健康保険適用前の金額はだいたい2,000円から4,000円程度と言われています。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/4802fde932b6ed2326c30b55438033fb.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/4802fde932b6ed2326c30b55438033fb.png)
眼鏡処方箋発行に関わる保険点数
これに対して、めがね店の場合は、眼鏡作製技能士の有無に関わらず物品であるめがね価格(フレームとレンズの合算価格)として販売します。しかしながら、実際には、技術サービス料はその中に含まれています。これが、お客から単なる物品扱いされ、技術サービスを軽視する大きな要因になっています。
現在、めがね業界は玉石混合の状態にあり、お客が良いめがね店を探すことは至難の技となっています。日本メガネ協会は、これらの問題を解消するためにHPに消費者が在籍店を把握できるポータルサイトを設置しています。しかしながら、めがね店がメガネ協会に入会していなかったり、HPを検索しない限りお客は標準技術レベルにあるめがね店を探すことはできません。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/95108af6d28386b18e26b226d21aa747.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/95108af6d28386b18e26b226d21aa747.png)
眼鏡作製技能士の在籍店を探すポータルサイト(日本メガネ協会HPより)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
技術サービスを有料化するメリットは何?、また課題があったら教えて!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
そうだね。まず、メリットをあげると、
・眼鏡作製技能士が技術習得に熱心になる
・お客から技術力の高いめがね店として認められる
・お客に判り易い価格体系を提示できる
・眼鏡作製技能士の社会的地位が向上する
・新しい技術や検査機器を導入するための資金に充当できる
といったところかな。
課題は技術サービス有料化の進め方だと思う。これは、個々めがね店が単独で進めてもなかなかお客には浸透していかない。やはり、日本メガネ協会が中心となって進めていくべきことかなと思う。
そのためには、参加資格のあるめがね店の経営者は、積極的に入会して声を上げてもらいたいと思います。
眼鏡作製技能士が在籍しているめがね店が使命感を持って日本のビジョンケアを担っていくためには、技術サービスの有料化を積極的に検討する必要があると考えています。
下図は、私が眼鏡作製技能士のために開発した学習用の技術料シミュレータで作成した1例です。
例えば、新規/再作で自店の場合、眼鏡作製技能士1級による技術ポイント合計は660点になります。めがねの技術料が10円/点の場合6600円になります。なお、プレフィッティングのポイントは60点になります。
技術サービス料金込みのめがね一式価格が35,000円の場合、
実質的なめがね一式価格 = 35,000円 - 6,600円 = 28,400円
となり、物販としてのめがね一式価格は28,400円になります。そして、この価格が店舗内に陳列されるフレーム一式価格になります。
お客がめがね店 に眼鏡処方箋を持参した場合、眼鏡作製技能士1級による技術ポイント合計は430点になりますので、めがねの技術料が10円/点のとき4300円になります。従って、お客が支払う金額は、
技術サービス料金込みのめがね一式価格 = 28,400円 + 4,300円 = 32,700円
となり、視覚検査をしない分(2,300円)だけ安く購入することができます。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/252f459742271db76bb46ece6d874454-1024x577.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/252f459742271db76bb46ece6d874454-1024x577.png)
自店の場合
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/b7bd38c05e770d27e4f3892fbb218ee5-1024x576.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2024/11/b7bd38c05e770d27e4f3892fbb218ee5-1024x576.png)
眼鏡処方箋の場合
眼鏡作製技能士1級によるめがね一式の技術料のイメージ
*学習用の技術料シミュレータを使ってみたい方は、
こちらのブログ「【必見】地域密着型めがね店が地域で一番を目指す3つのポイント」からインストールできます。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
有料化しただけで、地域密着型めがね店は立ち直れるの!?😒
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
「風が吹くと桶屋が儲かる」の論理かな。
技術サービスを有料化すると、お客は技術サービスは重要なんだということを自覚し始め、技術サービスに対する見方がシビアになる。
だから、眼鏡作製技能士もめがね店も、日々精進して技術サービスに力を入れるようになる。
技術レベルの高い眼鏡作製技能士が在籍しているめがね店は、お客からの信頼が高まり口コミ効果も多くなるので繁盛していくと思うよ。
これに対して、技術レベルが低い眼鏡作製技能士が在籍しているめがね店はクレームが増大し、最終的には廃業するしかなくなる。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
なるほどそうか、技術サービスを商品化することはお客のめがね店に対する見方を変える大きな意味があるんだね😁
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/jigazou.png)
それだけではないよ。日本メガネ協会のHPの冒頭に、『眼鏡作製技能士による眼鏡作製を「業界標準」として定着させるための啓蒙活動を行います。』と書いてある。
つまり、技術サービスの有料化は、メガネ協会が目指す方向と合致しているし、手段として最も合理的かつ効果的なんだよ。
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
![](https://pgsl1.com/blog/wp-content/uploads/2023/12/aldi-sigun-xyVIi4GN5Os-unsplash.jpg)
そうだね、めがねビジネスの本質は物品販売と技術サービスが基本だもんね😁
ロングテール型経済社会を切り開く地域密着型めがね店3つの対策|まとめ
- 日本メガネ協会に入会し、小売店会員としての権利を享受する
- お客に判り易いめがね一式の価格体系の提案する
- プロの眼鏡作製技能士として技術料を頂く(技術の有料化)
今回の記事では、地域密着型めがね店がロングテール型経済社会を切り開くための3つの対策について紹介しました。
失われた30年と言われていますが、1990年以降日本国民の給与所得や貯蓄率は停滞し、理想的な正規分布型ではなく、ロングテール型の分布曲線になり中間所得者が少ない低所得者と高所得者の2極化構造になっています。
日本のめがね業界も他業界と同様に、全国展開型の格安店と高級店の2極化構造になっており、今まで中所得者層をメインターゲットとしていた中小の地域密着型めがね店の経営環境は非常に厳しい状況にあります。
しかしながら、2022年の眼鏡作製技能士の誕生によって資格者が在籍している地域密着型めがね店に巻き返す材料が幾つか見えてきました。
一つ目は、日本メガネ協会が進めている眼科医会の推奨店制度やアイターン制度の導入です。これは、眼鏡作製技能士が在籍していれば、メガネ協会に入会することが可能になるということです。
二つ目は、今日でも様々な要素を比較検討をした上で購入する買い回り商品であり、資格者が在籍している地域密着型めがね店にとっては強みになると思います。
視覚検査やめがねの作製や調整技術など技術サービスの有料化、フレームやレンズなどの物品販売の価格体系を見直しは、お客のめがね価格に対する見方を変える効果があり、眼鏡作製技能士の存在価値が高まり、社会的な地位が大幅に向上することを説明しました。
今回は、眼鏡作製技能士のために開発した学習用の技術料シミュレータできるソフトを紹介しました。興味のある方は、是非コチラまでご連絡下さい。
コメント